理事長からのご挨拶

「至誠学舎」の歴史は、1912年(明治45年)、初代稲永久一郎が2名の浮浪の虞犯少年を自宅に引き取って更生自立の道を歩ませたことに端を発します。その後、少年司法保護団体、財団法人、社会福祉法人と社会の変容に伴いながらも、一貫して社会事業に携わってまいりました。1998年(平成10年)法人分割が行われ、私どもは「至誠学舎立川」として今日に至っています。そして、2022年(令和4年)創設110周年を迎え、私は9代目の理事長に当ります。

稲永久一郎が、終生座右の銘とした「誠の心の働きは、人の心を動かし、天に通じる」は、法人理念「まことの心」として、今日なお私たちの中に脈々と受け継がれています。今日3事業本部体制のもと、児童・保育・高齢・障害の福祉4分野において、職員数は1,500 名を超え、年間事業規模は74億(2020年)となる大きな事業体に成長いたしました。沢山の方々の大きな支えがあってのことです。本当に感謝に堪えません。

さて目を転じれば、21世紀は早中盤が見えてきたと言っても過言ではないでしょう。21世紀の課題として早くから言われていたことは、①地球の温暖化と自然災害、②AI、③貧困(貧富の格差)、④テロ、⑤感染症等でしたが、2020年に起こったCOVID-19によるパンデミックは、想定以上の速さと規模で、世界に大きな価値観・パラダイムの変換をせまってきています。そして、持続可能な社会の建設のためのSDGsに、私たちは真剣に取り組んでいかなければなりません。

縦軸をなす滔々と流れゆく時間と、横軸をなす人や社会の変化と有り様。その二つの狭間で、私たちはこれからも根底に流れる変わることなき理念を胸に、関わる全ての人を大切にし、地域社会に根を下ろし、ニーズに対して敏感にアンテナを立て、常に必要とされ役に立つ法人で有り続けたいと願っています。

Cherish yesterday,  昨日を大切に、
Live today,    今日を生き、
Dream tomorrow   明日を夢見る

至誠学舎立川 理事長 稲永勝行